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  夕焼けの空の下で、飛ぶ白鷺を眺めていたことがある。意外に  も、さぎ草とはシルエットが随分違うのだった。それでも、この3  センチほどの花が連想させるのは、やはり白鷺だ。よくみれば花弁も、その下の距(キョ)と呼ぶ筒状の部分も、翼や脚とは形が異なるのに、緑を背景に浮かぶ姿は紛れもない。風に波うつ青田をいく鷺だ。ラン科。かつては世田谷区内の湿地にも自生していた。1968年(昭 和43年)取りのおなが、木のケヤキとあわせて公募で区の花に選 ばれた。区内には栽培している名所が2ヶ所ある。妙法寺の鉢植え は大小200以上。 住職の小林教一さん(55)らが育てた花を間じ かに見られるのがうれしい。盛りはお盆すぎまで。もう1つは九品仏 浄真寺の区立鷺草園。みずごけの中に花が咲き、周りには水が流れて幽谷の趣を漂わせる。こちらはあと10日ほど楽しめそうだ 本物より本物らしい鷺たち。何度向かい合っても、気品に満ちた舞にため息がでる。
  (8月13日 読売新聞夕刊より)
               さぎ草 より